僕の前職がバランスを欠いて破滅しそうな件、やっぱり職場もバランスが重要。
この記事を見て考えたことを一つ。
オオカミを放った国立公園で、20年後に「すごいこと」が起こった
http://tabi-labo.com/50052/wolves-change-rivers/
- 1. 自然界もそうだけど、会社もバランスを欠くと破滅するんだろう
- 1.1. この記事のざっくりとした概要
- 1.2. 前職で起こっている現象
- 1.3. ①売上を伸ばすために、営業サイドの人間を超優遇
- 1.4. ②バックオフィス職がごそっと退職
- 1.5. ③サービス履行ができない
- 1.6. ④結果営業サイドにクレームが多くなり、案件を多くもっている中堅メンバーが抜ける
- 1.7. ⑤しわ寄せがその他のジュニアメンバーに来て、耐性のないジュニアメンバーや社歴の浅い中途も抜ける
- 1.8. ⑥営業マンが減るので、売上が上がらないし、技術的な知見が全くない会社が出来上がる。
- 1.9. 会社の経営とかやったことないけど、バランスが大事なことはよくわかった。
- 1.10. 関連記事
- 1.11. 共有:
自然界もそうだけど、会社もバランスを欠くと破滅するんだろう
この記事のざっくりとした概要
結構ネットでシェアされているので、読んだ人も多いのではないでしょうか。
まあ、概要をざっくり説明すると、
- オオカミが絶滅寸前まで現象
- シカが増えて、植物を食べ尽くすようになった、
- 生態系のバランスが崩れた
- 生態系のバランスを戻すためにオオカミを20匹程離した。
- オオカミがシカを食べるようになった
- 植物が食べられなくなったので、森が出来るようになった
- 川のそばに森ができたので、ビーバーが川に生息するようになった。
- ビーバーが川を整備するようになり、川に生物が住めるようになった。
- 川の蛇行が少なくなり、土地の浸食がへり浅瀬が形成されるようになったので野生動物が生息しやすい環境が整った。
といった感じで、すっごいざっくり説明するとオオカミを離すと20年後には自然環境が元の形に整ったんですよ。
自然の中でのバランスを見事に言い表したものなんですが、自分の置かれていた環境のことも含め非常に考えさせられるなあと思いました。
前職で起こっている現象
最近前職にまだ在職中の人と飲む機会があり、前職の社内の様子をはなしてくれました。
状況がこれにすごく似ていたので書いてみようと思います。
正社員数40名いかないぐらいのベンチャー企業(もうあんまり成長もしてないですし、創業して時間がたっているのでベンチャーとかいうと恥ずかしいかも。。)なのですが、
- 正社員40人ぐらい。
- ウェブ系を醸し出しているけどだけどバリバリの営業会社、飲み会サークルみたいな感じ。
- 社長はバリバリ営業出身、テクノロジー的なことは何も知らない。
- 残業時間は月に200時間ぐらい。
みたいな感じのスペックです。
①売上を伸ばすために、営業サイドの人間を超優遇
社会的に見ると超ハイスペックなバックオフィス職(営業じゃない人をバックオフィスとします)の人達を結果的に冷遇。
まあ、もともと営業出身の社長でバックオフィス側への理解が高いとは言えず、
「バックオフィスとか何やってんの?こっちは営業頑張ってんだよ」「お前らより営業の方がきついんだよ」
とかいっちゃう社長ですし、営業が売ってこないと僕らもお給料が入ってこないので、この辺りのロジックは分からないことはないのですが、そういう雰囲気をだしちゃう感じはちょっと。。。ということで僕はこの辺りのフェーズで、「多分この会社で働いても得る物はもうないだろう」と思ってやめました。
②バックオフィス職がごそっと退職
バックオフィス職をぞんざいに扱った結果、
会社が嫌いになった。社長のもとで働きたくない
等々の理由で、ハードワークをいとわない優秀なメンバーが抜けました。
もともと一人が20時間ぐらい働かないと終わらないぐらいの仕事量を抱えているので、一人が辞めると残りのメンバーのタスクが途端にきつくなります。
身体を壊したり、長時間労働が嫌になってなど、理由は様々ですが、今まで耐えていた部分の糸がきれるような形で、半年ほどでバックオフィス職の9割が一気にいなくなりました。
ここでいうバックオフィスとは、経理的な仕事もそうですが、エンジニアやウェブディレクター、ウェブアナリスト的な人達も含まれます。
所謂新規の案件を獲得してきたりする人たちではなく、後ろで運営をしていくような人達です。
③サービス履行ができない
その結果、サービスの履行ができなくなりました。
まあ、そうですよね。エンジニアみたいな人もいませんし、今まで実際に手を動かして頑張っていた人達がウェブの会社から出て行ってしまうのは、ウェブの会社としては致命的です。
また、ウェブ系の人材が不足している昨今、薄給で一日20時間ぐらい働く小さな小企業、しかもバリバリの営業会社の雰囲気をまとった企業に来てくれる中途の社員なんてまずいません。
であれば一から新卒を再教育する必要がありますが、そこを担える人材もすべて抜けてしまったそうです。
今まで会社の創業期から頑張って、サーバーまわり、デザイン、リスティング、アナリティクスなどの知見を少しずつためてきて、実際に自分で手を動かして知見をためてきているメンバーや、中途でやってきたスペックの非常に高い貴重な人材がすべていなくなってしまったそうです。
ウェブのサービスを提供していながら、社内にウェブのことが技術的に理解できているメンバーがいないという状態になってしまっているそうです。
④結果営業サイドにクレームが多くなり、案件を多くもっている中堅メンバーが抜ける
その結果、次に営業サイドに影響がでてきはじめます。
営業サイドには特にウェブの知識は無く、とりあえず持ち帰って社内で聞いて解決をしていたのですが、社内に聞ける人がいなくなってしまったので、そもそも問題の解決ができません。
なぜ問題が起こっているかを解決ができなくなってしまったので、当然ながらお客様からのクレームは多くなります。
また、解決ができたとしても、外注の業者さんから聞いてからの解決になるので、対応スピードもおそくなります。
特に実力がついてきて、案件をたくさん抱えている中堅メンバーへの影響が大きく、クレーム対応に時間に通常よりも多くの時間を裂きながら今まで以上に売上を上げる必要があります。当然ながら心が折れてしまって辞めてしまうメンバーがでてきました。
⑤しわ寄せがその他のジュニアメンバーに来て、耐性のないジュニアメンバーや社歴の浅い中途も抜ける
次はその中堅メンバーの離脱をカバーする必要があるために、経験の浅い新卒メンバーや中途にその案件を振り分けることになります。
ただ、彼らはそもそもウェブの事も未経験ですし、お客様の対応といった部分の経験も少ないので、次第にお客様の満足度が下がっていきます。
営業への当たりも強くなり、労働時間も長くなり、耐性のない新卒や、他の会社からやってきた中途の方が抜けます。
抜けた人の分は他の人がカバーをする必要があるので、別の人に更に負荷がかかります。
そして更に人が辞めるという負のスパイラルに突入します。
⑥営業マンが減るので、売上が上がらないし、技術的な知見が全くない会社が出来上がる。
その結果、人が大きく減ってしまったので売上があがらなくなりました。
更に技術的な知見もなくなってしまったので、今までやっていたウェブ系のサービスもクローズしてしまいました。
技術的な知見を持っている人がいなくなってしまったので、営業で多額の金額を預けてくれるお客さんを相手にすることができなくなりました。
その結果、今までよりも更に「低単価」な案件が増えたので営業としても伸び悩む
という状態になっているんだそうです。
会社の経営とかやったことないけど、バランスが大事なことはよくわかった。
僕も会社なんて経営したことはないですが、一連の流れを知って、
やっぱりバランスを欠くと長期的に成長はしない
という例をみせてもらいました。
同じ会社で働いている限り、どの仕事も大切なわけであって、やっぱりリスペクトしながら接していかないとバランスが崩れるということがよくわかった事象でした。
自然界もそうですが、会社内もいろいろなことが絶妙なバランスをとりながらやっているわけで、やっぱりそのバランスを崩してしまうとうまく行かなくなってしまうんだなあと思いました。
僕も将来は会社を経営とかしてみたいですが、本当に前職を反面教師として深く記憶に刻もうと思いました。
何の職種が僕の前職にとって、オオカミにあたるのかは議論をしなければいけませんが、バランスって大事ですね。
終わり