戦争を体験した人の凄まじさ
日本は昔、高度経済成長がありました。
国のGDPは毎年とてつもない勢いで伸び続け、東洋の奇跡的なことを言われました。
戦後の焼け野原から今の日本になるなんて、恐らく当時の日本を見ている人達は思わなかったでしょう。
要因はたくさんあります。
特需、貿易、技術
たくさんあるけれど、僕はやはりその時代を作り上げた人達のメンタリティーにあると思います。
特にこの時代に働き盛りだった、「青春時代を戦争に捧げた人達」のメンタリティーは半端ではありません。
僕が身近に話す事ができる戦争を経験した人達って、自分の祖父、祖母にあたりますが、僕は自分の祖父や祖母と話すのが大好きです。
だって発想や物差しみたいなものが僕らと違いすぎて、今の時代でいう、「ぶっ飛んでいる人」だからです。
戦争を体験した人の凄まじさ
僕の祖父の場合
僕の祖父は当時のエリートで、陸軍士官学校に通っていました。
この話を聞くのがとにかく興味深いというか、もうぶっ飛んでいます。
「朝飯食ってたら、窓から東条英機が入ってきた」
「それは抜き打ちの視察で、次の日から訓練が急にヤバいぐらい厳しくなった」
「20キロの装備を背負って、夏場汗だくになりながらランニングをとにかく走る。全員気絶するまで走る」
「アメリカの飛行機が超低空で攻めて来る」
「卒業時にはクラスメートの半分は死んでる」
みたいな、今では嘘か本当か分からないような話がどんどん出てきます。今ブロガーとかやったら恐ろしくPV集めそうなコンテンツにあふれた話をしてくれるわけですよ。
終戦時の話など、もっと凄まじいです。
下級生が終戦に納得できず、兵舎に立てこもった。→当時の偉い人が説得。出てきたらリーダー的ポジションの人は神社の前で切腹してた。
みたいな、話がばんばん出てきます。
そして、終戦を迎えますが、そのとき僕の祖父は19歳。
僕らがのんきに中学にいって、高校いって友達と遊んで、授業中ふざけ合ったり、くだらない遊びに興じている少年時代に僕の祖父はずっと戦争の訓練一色だったそうです。
そんな話をさらっとする祖父。
今考えるとトラウマになっちゃいますよね。。。そんな青春時代を過ごしたらもう僕だったら変になっちゃいそうです。
祖母の場合
僕の祖母は学校の校庭をすべて耕して畑をつくっていたり、パラシュートをつくっていたそうです。
中学生ぐらいのときに、勉強をせずにずっと戦争一色で仕事ばかりしていたのをスゴく悔やんでおり、今でも僕に勉強をしろといってきます。
そして、もう80歳半ばに突入しますが、好奇心が旺盛でいろいろな事を勉強しています。
正直怒られた事などなく、非常におだやかな感じの祖母です。イメージはのびたくんのおばあちゃんをもう少し若くして、上品にした感じでしょうか。
僕はそんな祖母と話すのもスゴく好きなのですが、ある日祖母が放った一言に衝撃を受けます。
それはリーマンショックあたり、僕の就職活動も厳しいだろうという話をしていたときのころです。テレビでは仕事のない派遣労働者の人達が職や食べ物を求めて派遣村みたいな所を訪れる様子をとらえていました。
僕は自信の就活に関しての不安を漏らしていました。
そんなときのやり取りです。
僕:不景気で僕の就活はどうなるんだろう。
おばあちゃん:「まあ、心配せんでもいいよ、不景気なんてなんも怖くないよ。私らの頃は食べ物がなかったもん。おばあちゃんなんか、木の根を食べてでも草の根を食べてでも生きていけるけどね。それに比べたら幸せよ、ハハハ笑」
この一言に、僕は祖母の底知れない生命力を感じました。
もうなんか、異次元の人なんだなと思った覚えがあります。
東北の地震が起こったときもこれと同じようなインタビューをテレビで見た事があります。
避難をしているおばあさんが、一言「私たちは戦争経験しとるから大丈夫(耐えられる)やけど、若い人はかわいそうよねえ」みたいな。
うーん異次元。。。
思う事
祖父祖母以外の戦争を経験された方とお話をしても思うのですが、戦争を経験している方の特徴って、
- 生への絶対的な自信
- 幸せを感じるハードルがめっちゃ低い
という2つがあると思います。
一つ一つ説明していきます。
1つ目はもう「何が起こっても生きていける!」という自信です。
若い頃に戦争を経験されているので、「あれ以上厳しい事、辛い事は人生で起きようがない」みたいな基準があり、更には「あの戦争を生き抜いたのだから何が起こっても絶対に大丈夫」という自信がある人が多いと思います。
2つ目は「ああ、幸せだと感じるハードルがスゴい低い」ということです。
まあ、そうですよね。
祖母の発言にもありましたが、今の時代からは想像できないハードシップに耐えまくってきた人だから出せる発言だと思います。
僕ら世代って、お金はなくても食べ物はあるじゃないですか。最悪食べ物はある。だけど昔の人ってお金がいくらあろうとも食べ物がなかったんですから、
幸せのハードルなんて否応無しにも下がります。
最後に
確かに知識や情報の面では今の僕らに軍配が上がると思います。
ただ、これだけメンタル的にハイスペックな人達がうじゃうじゃしていて、そんな人達が日本の再建に向けて力を一極集中させたから高度経済成長って実現したんじゃないかなと思います。
いろいろな経済的な要因、社会学的な要因こそあれ、全くの焼け野原から世界2位になるぐらいの世界に類をみない発展を遂げたのは若いときに凄まじい体験を遂げた人がたくさんいたからだと僕は本気で思っています。
あの時代の人達と同じ方法で勝負したら、確実に負けます。
別の方法を考えましょう!