ベンチャー企業に入るなら、その会社のフェーズをチェックしよう
新卒でベンチャー企業に入社をするときに一番考えてほしいのは、「どのフェーズで入社をするか」ということだと思います。
会社はフェーズによって、やっている業務も経験出来る事も大きく違います。
僕が入社をしたのは、社員数で15人ぐらいの時でした。そこから社員数が40人ぐらいになるぐらいまで会社に所属をしていました。
会社には大きく分けて
- 創業期
- 成長期
- 成熟期
- 衰退期
のフェーズがあると言われています。世の中の求人広告に「ベンチャー企業」という書き出しで求人を出している企業のほとんどが、「創業期」「成長期」にあると思います。
僕が入社をしたときは会社としては「創業期」、退社をするときは「成長期」で、環境がめまぐるしく変化をしました。
「創業期」「成長期」のフェーズでどのような事が体験できたのかを書いていきます。また、それぞれのタイミングで新卒で入社をするメリットデメリットに関しても書いていきたいと思います。
創業期
創業期の様子
会社がまだ小さいころで、オフィスもまだ40坪ないぐらいでした。
お取り引きをさせて頂くお客様の規模も小さく、やっている業務に関しても、そこまで専門性が求められる事はなく、どちらかというと「浅く広く」という感じで幅広い業務をこなす感じでした。
僕も、テレアポ、対面営業、お客様のフォロー、フォロー体制の構築、社長との同行、資料作成、経理、総務、マーケティング、新規事業考案、会社のビジョン考案、等々、普通の会社では出来ないような幅の広い業務が出来ると思います。
ただ、業務の幅が広い分、いろいろな事を自分でこなさなければいけないので、どうしても労働時間は長くなります。
徹夜がたまにあり、オフィスに泊まったり、6時出社23時半退社みたいな生活をデフォルトでやっていました。
創業期で入社をするメリット
会社の大きな流れが分かるようになる。
ここで利益がでて、ここでお金を稼ぐ、商品の粗利率が○○パーセントだから、この商品を売ると○○円お金が会社に入ってくるんだという事が非常にリアルに分かります。
お取り引きをするお客様の層に関しても、大手ではないため、倒産、未入金等々が普通に発生します。この辺りの督促、引当金といった非常に生々しいお金に関する事も経験できます。
営業に関しても、電話を一日200件掛ける、なんてこともできます。また、営業資料なども自分で作成しないといけないので、エクセルやパワポが上達します。
仕組みづくりに携われる。
会社には何もありませんので、フローなどに関しては自分で考える必要があります。ただ、今後はそれがデフォルトになり、残っていくので、会社に確かな足跡を残す事ができます。
創業期に入社をするデメリット
働く時間が長くなる。
基本的には全部の業務を自分でする必要があるので、労働時間はすごく長くなります。
基本的には毎日終電になるか、朝がすごく早くなるか、終電を逃してタクシーで帰宅するか、帰れないかのどれかだと思います。
労働環境に関しては覚悟しておいた方がいいです笑
「がんばり」=「成果」にならないことがある。
「儲かる仕組み」が確立していないので、何事もトライアンドエラーになります。ですので、時間を駆けたからといってそれが成果に直結するとは限りません。
また仕組みがないので、ミスも多くなりがちです。
教育とか研修とかあんまりない。
会社にもよると思いますが、基本的に研修などないので、OJTの中で学ぶ必要があります。
僕の研修は電車の中で先輩に教えてもらった名刺の渡し方だけでした。
ですので自分で勉強が出来る人はいいですが、出来ない人にとっては地獄だと思います笑
成長期
成長期の様子
オフィスが80坪ぐらいになりました。
業務に関しては徐々に分業が出来てきます。また、稼ぐ仕組みが確立してきたので、お給料が上がる人はどんどん上がります。
新しい人もどんどん入社をしてきます。やめる人も多くなってきます。
成長期で入社をするメリット
専門性が深められるようになる。
分業がなされることによって、専門性が深まってきます。
また、望まない発注業務や資料作成、入力業務など、創業期には自分でやっていた業務が人が増える事により、他の人がやってくれるようになります。
マネジメントに早期に携われる可能性がある。
人がどんどん増えていく成長期には会社を大きく伸ばしていく「マネジメント」が出来る人材がもとめられていました。
よくも悪くも人不足なので、教育等々をする必要があり、本人が望む望まないに関わらずマネジメントをする機会に恵まれる可能性は大手よりもあると思います。
昇給しやすくなる。
粗利が増えなければ昇給もしませんが、利益を出す仕組みが確立されてくるので昇給もしやすくなります。
また、評価制度等々に関しても整ってくるので、どうやったら給料が上がるのかということが明確になってきます。
成長期で入社をするデメリット
業務が固定化されてくる。
分業の弊害といってもいいのですが、やる事が固定化されてきます。
それにともなってフロー全体を見る視点等々はなくなってきます。軽いセクショナリズムみたいなものが生まれてくる時期でもあります。
優秀な中途社員と勝負しなければいけない。
このフェーズでは、中途採用でどんどん人が入ってきます。
またベンチャー企業に就職してくる中途の方は大体が意欲あふれる優秀な方達ばかりです。
社会人としての経験もあるので、新卒よりもどうやったら成果がでるのかということをよく知っています。
新卒がよっぽど優秀でない限り、重要なポジション等々は結果的に中途の方で占められる事になります。
最後に
以上僕が経験してきたベンチャー企業の「創業期」「成長期」の様子、メリット、デメリットを書かせて頂きました。
ベンチャーを見ている学生さんのマインドは主に3つで
- 独立したいから経験を積みたい。
- 若いうちからいいポジションについて金を稼ぎたい。
- 社長のビジョンに共鳴したので一緒に会社をつくっていきたい。
に大体は集約されると思います。
自分が会社で何をしたいのかという事を考える事で、入るべきフェーズも違ってくると思います。
是非将来のビジョンをよく考えて、自分にあった就職活動をしてみてください。